こんにちは、ヤス@ロコ父さんです。
2019年の12月の事ですが、遂に事業構造改革に着手する旨の通知や説明会が始まりました。
事業部としては数年ぶりに通期赤字に転落する見込みなので経営陣も必死です。
それからまもなくして期間限定の優遇付き早期退職募集も始まりました。
リストラ(事業構造改革)が発表される
もちろん事業構造改革の説明会資料には一行も書かれていませんが、
・人員の5-10%(100人超)を
・45歳~59歳までの中高年から募集して
・3ヶ月以内に固定費削減を達成する
この15年間で3-4回リストラをやってきた過去の実績?事例?がありますので、そこから想像するとこんな感じに受け止めました。(※)
※あくまでも個人の感想です
結果的に応募した人は、53歳~59歳までの中高年が圧倒的に多く、45歳~50歳までの中年で応募したという話は聞きませんでした。
私が所属していた会社の事業部の場合ですが、人員の削減が最初ではなくて、プロダクト・サービス・ビジネス拠点の削減・撤退が最初に決められました。
そこにいる従業員にとっては、担当している製品やサービスが無くなったりする訳で、同時にチームや課も無くなったりしますので、当事者はいきなり奈落の底に落とされたような感覚になってもおかしはありません。
私の場合ですが「案の定」というか「やはり」というか、担当プロジェクトも廃止方向となってしまいました。 orz
まぁ、私が8年前に異動してから立ち上げたプロジェクトでコアメンバーの一人でもあるので、存亡の危機については自分が一番良く判っています。
気持ちは複雑
まぁ2年前にプロジェクトが打ち切りになっていても不思議ではない状況でしたので、自分もビジネス的な思考では納得しています。
ですが実際の気持ちは複雑です。
「まぁ、ここまでよく持ってくれたな」
「この辺が潮時かな」
「あと1-2年持ちこたえてくれたら、もっと気持ちよく辞めれらたのにな~」
「2年前に異動のチャンスがあったのに、もったいなかったかな~」
「でも、異動していたとしても、1-2年の時間稼ぎにしかならなかったかも」
「7-8年ぶりの早期退職優遇制度なので残り4年の自分にとっては今回が最後のチャンスかも」
59歳で通常制度の早期退職をする事は腹に決めていましたが、それより2~3年くらい前倒しになったわけです。(しかも急に。。)
予感はしていましたが、いざ自分がその立場に置かれると数日間は思考停止状態になってしまいました。
若い人(例えば45歳以下)は早期退職募集の対象者ではないし、社内で異動できるFA制度も整っているため、社内で何とか別の仕事の口を見つけることが出来るケースが多いのです。
ですが、所属していた事業部は祖業ともいえる伝統的な商材を扱う部署でしたが、伝統があるだけにバブル期に大量採用した人員の比率が高かったのです。
当時の30代の世代と比べると、1.5倍近くは人口比率が高かったと思います。
これではリストラが必要になった時には格好のターゲットになってしまいます。
その一員であった自分は「もうこの辺が潮時だな」と自分で自分をを納得させざるを得ませんでした。
早期退職優遇制度とは:
- 一般的には、45歳~59歳の中高年が対象
- 年齢によって通常の退職金にプラスして特別加算退職金が支給される
- 例えば「年収の60%の3年分を特別加算退職金」として支給する等
- 再就職の支援会社を会社の費用負担で利用できる
- 通常の早期退職支援制度がある会社であっても、期間限定的な優遇制度の方が割り増しが大きい
※あくまで一例です
それで、早期退職の募集締め切りまでの1ヶ月半(実働 30日)でやったことが以下となります。
ファイナンシャルプランナー(FP)に相談
まずはファイナンシャルプランナー(FP)に相談に行きました。
幸いにも会社がFPと個別契約していたため抽選制ではありましたが無料でFP相談が利用できました。
自分は以前、住宅ローンの繰り上げ返済のことで悩んだ時にFPに相談したことがあったので、どんな人かは判っています。
そこで相談した事は、
- 早期退職に応募した場合、退職後の家計収支はどうなるのか?
- 早期退職に応募しても経済的に大丈夫か?
です。
FPの方と相談した結果:
- 子供が昨年から社会人になって扶養から外れているので教育費の心配は無し
- 住宅ローンも退職金の10%をあてれば完済できる
- 同居している高齢の義母はまだ介護が必要にはなっていない
- 会社都合の早期退職となれば、雇用保険の失業給付は早めに受給でき、税金・社会保険・光熱費・食費くらいは失業給付でまかなえる
- そのうち再就職して、衣食住が何とか賄えるくらいの給料を稼いでゆけば、老後にゆとりが持てるだろう
FPの人に色々と質問して得られた内容を別の記事にしていますのでご関心のある方は見てみてください。
自分の市場価値を客観評価して再就職に備える
FPの方と相談したことで、早期退職後の家計の経済的な見通しは把握できました。
最悪、(不運にも再就職が出来なくて)65歳で年金受給者になる迄の8年間が無収入になってしまったとしても、何とか食つなぐことはできそうです。
次は「社外の転職先」もしくは「グループ内の社内異動先」を探して見ることにしました。
「あわよくば早期退職後に、切れ目なく別の仕事に就けるかも?」と思いがありましたので。。
(いま振り返ってみると、無謀な考えでしたが...)
それで1ヶ月ほどの限られた期間で社外転職や社内異動の活動に奔走する日々が続きました。
わかりやすく先に結論を述べます:
- 中高年の転職や社内異動はかなり厳しい
- 社内異動はコネをたどれば何とかなりそうな所があったが、1ヶ月という短期間では無理!
■社内グループでの異動活動
会社には社内FA制度のようなものがあります。
会社の人事にも手伝ってもらって幾つか応募してみました。
結論だけまとめ:
- 実際に求人はかけていても、見ず知らずの中高年を受け入れてくれる組織はほとんど無い
- マネージャレベルのコネで調整して何とかなりそうな場合でも、最低3ヶ月~半年くらいの調整期間が必要(そりゃそうだ、受け入れる側も大きな人件費の負担を事業計画的に吸収しなければならないのだから..)
- 書類選考は通過して面接に至った部署もあったが要件にマッチせず、年齢の壁は大きい!
- 社内グループ内であっても1か月半という短期間で受け入れ決めてくれそうな所はどこにも無し
■社外への転職活動
ビズリーチのような転職紹介サイトを2つくらい使ってみました。
検索しても「これなら行けそう」という求人案件は少数。
ようやく自分の経験とスキルにフィットする某大手IT企業の関連会社に応募してみた。
結論だけまとめ:
- 要件がマッチした感じで「すぐにでも面接したい」と連絡がきた
- 面接自体は予定の1時間を超えて盛り上がる
- ただし最終的には不採用(自分よりもっと若い人を採用した模様)
- そもそも年収800万円という求人案件に50代後半の中高年が応募しても勝ち目はないよね
- そりゃそうだ、いくらITや英語のスキルや資格があっても、定年まであと3年のオヤジでは「採用する側の誰もが躊躇します」って(笑)
結論:50代後半の中高年の転職は極めて厳しい
噂(うわさ)に聞いてはいましたが「中高年の転職や社内異動はかなり厳しい」ことを身をもって思い知らされました。
ただし、何れにしても社外・社内ともに面接に進んだことは少しプラス要素と思いました。
ネットワークスペシャリストやCisco/Linuxの資格を取っておいたのと、TOEICもITエンジニアにしてはレアケースの800点中盤を記録したこともあるので、過去の努力のお陰だと思うようにしました。。
この時点で、早期退職の募集締め切りまであと1週間になっていました。
中高年になるまでの8年間はIT系システムの設計&市場技術サポートの現場仕事をやってきただけに、内心は「何とかなる可能性も高いのでは?」と密かに期待していましたが、あっさりと目論見が外れたのです。
中高年というだけで、
「使えないオヤジとか、色眼鏡で見られてしまうのか?」
「バブル世代への反感みたいなものがあるのか?」
とまたまた複雑な心境でしたが、
「わずか1ヶ月で見ず知らずの中高年を雇ってくれ」
というも無茶振りですので、潔く諦めることにしました。
でもこれで
「離職後すぐに再就職できる可能性は低い」
と見切りが付きましたので
「離職後の生活が落ち着くまではもう就職活動はしない」
という気持ちの切り替えができたことも事実です。(※)
※実際には離職後に直ぐ、コロナ禍により求職側も転職支援エージェント側も身動きが取れない状況となる orz
締め切り3日前に早期退職に応募
今となっては大体何人くらいが応募して辞めていったのか、仲間からの情報で何となくわかりますが、
募集期間の1ヶ月半、ときどき探りを入れてみるんですが誰も何も言いません。
私はひそかに仕事上で付き合いの長い何人かの同世代からは、
「じつは私は今回の優遇付きの早期退職に応募しようかと考えているんだけど。。」
の様な話を期待していました。
ですが現実は全く逆で「誰からも事前のカミングアウトはありません」でした。
人事や部長がしゃべらないというのは、当然というか義務なわけですが、
「気の知れた仲間内では少し事前にしゃべってくれるかな」とは期待していました。
ですが、あれなんでしょうか、、
「新卒で一流企業に終身雇用のつもりで入社したのに」
「3年とか5年とかを残して早期退職になるなんて」
「想定外で人には話したくない」
とでも言うのでしょうか?
過去2回転職して修羅場も潜り抜けてきたつもりの私には理解できませんでした。
(最初から大企業に長らく勤めてきた人の気持ちがイマイチ理解できないのかも。。)
で、締め切りの7日前くらいになると、一気にあちらこちらから正式アナウンスとして「早期退職に応募した」という話が舞い込んできました。
私は結局、以下のように考えて、早期退職募集の締め切り3日前に応募しました。
- 社内失業の状態にはなりたくない
- 退職金の割り増しを貰えるチャンスは自分の定年までは来ないだろう(大体大規模リストラは5~7年周期くらいだったので)
- FPに相談して当面の家計面での心配はない
- 再就職も処遇面で妥協すればそのうち何とか見つかるだろう
仕方ないけどやるせない
今度ばかりは、まあ仕方ないです。
という流れで「わずか1ヶ月半という期間で早期退職を決断した」という次第です。
こんな時は自分のサラリーマン人生で過去の辛かった事を思い出してみます。
すると私もダテに30数年間のサラリーマン生活を送ってきたわけではありません。
過去にはもっと辛いことも何度かありました。
一例:
- 若いころ地方に転勤して間もなく、借り上げアパートに新妻1人残して、自分は事業の根幹を揺るがしかねない緊急の大トラブル対応のためにクリスマスイブから約10日間も毎晩徹夜で職場に張り付きの刑「地獄の年末年始」
(いや~給料が安くて全く儲からなかったな~、この半年後にこの会社は辞めました orz )
- 9年ほど前に上司のパワハラにより「2-3週間不眠症」を経験(初めて精神科に通って睡眠薬をもらう)
(いや~、上司=事業部長が60歳を目前に神経系の難病に罹ってしまって半分壊れちゃったんですよね~、この3ヶ月後に上司は早期退職し、私は郊外の事業所に異動しました orz )
これらから比べれば今回の早期(定年)退職というイベントは、
いまの世の中では良くある話で大したことじゃないのかも知れません。
次回は「早期退職に応募してから退職するまでの1ヶ月間の出来事について」をご紹介する予定です。